夫婦それぞれの時間も大切にする家|55歳から考えるこれからの間取り
55歳を過ぎた頃から、
「これからは、どんな家で暮らしたいんだろう?」
と考えることが増える方もいるのではないでしょうか。
子どもが小さい頃は、
「子ども部屋は何部屋必要?」
「家族みんなが集まれるリビングにしたい」
「学校や通勤に便利な場所がいい」
など、家族を中心に間取りを考えることが多いものです。
でも、子どもが成長し、家族の暮らし方が変わってくると、家に求めるものも少しずつ変わってきます。
これからは、夫婦で一緒に過ごす時間も大切。
そして、それぞれが自分の好きなことを楽しむ時間も大切。
今回は「55歳からの家づくり」の一つの考え方として、
「夫婦それぞれの時間も大切にする間取り」
について考えてみたいと思います。

「ずっと一緒」だけが、心地よい暮らしではない
夫婦二人の暮らしになると、
「二人で過ごす時間を大切にしたい」
という気持ちはもちろんあると思います。
一緒に食事をする。
リビングでテレビを見る。
休日に庭で過ごす。
そんな時間は、これからも大切にしたいものです。
でも、その一方で、
「自分は読書をしたい」
「趣味の時間も楽しみたい」
「少し一人になって過ごしたい」
ということもあるでしょう。
これは、夫婦仲が悪いという話ではありません。
むしろ、長く一緒に暮らしていくからこそ、それぞれの時間も大切にする。
そんな考え方があってもいいのではないでしょうか。
「一人になれる場所」があると、家の使い方が変わる
夫婦二人で暮らす家を考えるとき、
「寝室とLDKがあれば十分かな」
と考えることもあります。
もちろん、それも一つの選択肢です。
ただ、もう一つ考えてみたいのが、
「一人で過ごせる場所」
です。
たとえば、
読書をする小さなスペース。
パソコンを使うカウンター。
趣味の道具を置ける場所。
植物を楽しむコーナー。
音楽を聴く場所。
手帳を書いたり、ゆっくりお茶を飲んだりする場所。
必ずしも「一人用の個室」が必要なわけではありません。
2〜3畳ほどの小さなスペースでも、
「ここに来れば自分の時間を過ごせる」
という場所があるだけで、家の居心地は変わってきます。

「別々に過ごす」と「離れて暮らす」は違う
一人の時間を大切にすると聞くと、
「それなら部屋を完全に分ければいいのでは?」
と思うかもしれません。
でも、実際にはそこまで離れなくてもいい場合があります。
たとえば、
夫はリビングで読書。
妻はダイニングで趣味の作業。
同じLDKにいながら、それぞれ違うことをしている。
そんな暮らし方もあります。
反対に、
夫は趣味部屋。
妻は寝室横のワークスペース。
必要なときにはすぐ顔を合わせられる。
そんな距離感もあります。
大切なのは、
「一緒にいるか、別々にいるか」
の二択ではありません。
「どのくらいの距離なら、お互いが心地よく過ごせるか」
を考えることです。
55歳からは「趣味」を間取りに入れてみる
これからの人生を考えるとき、
ばかりを考える必要はありません。
むしろ、
「これから何を楽しみたいか」
を考えてみるのもおすすめです。
旅行が好き。
キャンプが好き。
植物を育てたい。
料理を楽しみたい。
読書をしたい。
映画をゆっくり見たい。
友人を招いて食事をしたい。
家でコーヒーを楽しみたい。
そんな「やりたいこと」があるなら、間取りを考えるときに少しだけ取り入れてみる。
家を「生活するための箱」ではなく、
「これからの人生を楽しむための場所」
として考えてみるのです。
「これからの人生を楽しむ家ってどんな家?|55歳から考える住まいと暮らし」でも、
これからの人生でやりたいことを家づくりに取り入れる考え方について紹介しました。
今回は、そこからもう一歩進んで、「夫婦それぞれの楽しみ方」を間取りに落とし込んで考えてみます。
大きな家にしなくても「居場所」はつくれる
「夫婦それぞれの部屋をつくる」
と聞くと、
「家が大きくなりそう」
と思うかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。
たとえば、
・LDKの一角に小さなカウンターをつくる
・寝室の一部に読書スペースを設ける
・廊下の一角をワークスペースにする
・収納の一部を趣味スペースとして使えるようにする
・庭を眺められる小さなベンチスペースをつくる
など、限られた面積でも「自分の場所」はつくれます。
家の広さを大きくすることよりも、
「どこで何をして過ごしたいのか」
を先に考える。
それが、これからの家づくりでは大切なのかもしれません。

一緒に過ごす場所は、やっぱり大切
もちろん、
「一人の時間を増やせばいい」
ということではありません。
夫婦で食事をする。
一緒にテレビを見る。
庭を眺める。
コーヒーを飲みながら話をする。
そんな時間も、これからの暮らしでは大切です。
だからこそ、
「夫婦が自然に集まる場所」
も考えておきたいところです。
たとえばLDK。
大きすぎる必要はありません。
二人で食事をして、
「今日こんなことがあったよ」
と話せる。
そんな場所があれば十分かもしれません。
そのうえで、少し離れた場所にそれぞれの居場所がある。
「一緒に過ごす場所」と「それぞれの場所」。
この両方があることで、無理なく心地よい距離感をつくることができます。
平屋との相性もいい「夫婦それぞれの居場所」
こうした暮らし方を考えると、平屋との相性も良いと思います。
平屋なら、生活の中心をワンフロアにまとめやすくなります。
リビングからそれぞれの居場所へ移動しやすい。
庭にも出やすい。
将来、階段の上り下りを減らすこともできます。
ただし、
と単純に決める必要はありません。
土地の広さや予算、家族構成、趣味、これからの暮らし方によって、2階建てが合う場合もあります。
大切なのは、
「平屋にすること」ではなく、
「これからの暮らしに合う住まいを選ぶこと」
です。
「今の暮らし」だけで間取りを決めない
55歳からの家づくりで考えておきたいのが、
です。
今は二人とも元気。
趣味も外で楽しめる。
収納もそれほど必要ない。
でも、10年後、20年後はどうでしょうか。
家で過ごす時間が増えるかもしれません。
趣味が変わるかもしれません。
友人を招くことが増えるかもしれません。
逆に、持ちものを減らして、もっとコンパクトに暮らしたくなるかもしれません。
だからこそ、
「今どう使うか」
だけではなく、
「将来どう使えるか」
まで考えておくと、家の間取りに余裕が生まれます。
「夫婦だから同じ」が正解ではない
家づくりでは、
「夫婦の意見を一つにまとめないといけない」
と思ってしまうことがあります。
でも、
夫は庭を楽しみたい。
妻は家の中で趣味を楽しみたい。
夫はリビングでテレビを見たい。
妻は静かな場所で読書したい。
そんな違いがあってもいいと思います。
むしろ、違うからこそ、それぞれの希望を間取りに取り入れることで、二人にとって心地よい家になります。
「夫婦二人の家だから、二人が同じように使う家」
ではなく、
「夫婦二人だからこそ、それぞれが自分らしく過ごせる家」
という考え方です。
これからの家は「人生の余白」もつくる
55歳からの家づくりを考えていると、
「何歳まで暮らせる家にするか」
「バリアフリーにしたほうがいいか」
「将来の介護はどうするか」
など、どうしても「将来への備え」に目が向きます。
もちろん、それも大切です。
でも、それだけでは少し寂しい。
これからの人生には、
楽しむ時間もあります。
夫婦で出かける時間もあります。
趣味に夢中になる時間もあります。
何もしないでゆっくりする時間もあります。
だからこそ、
「将来困らない家」
だけではなく、
「これから楽しめる家」
を考えてみてほしいと思います。
夫婦二人になったからこそ、家をもっと自由に
子どもが巣立った後の家は、
「使わなくなった子ども部屋が残る家」
ではなく、
「夫婦のこれからに合わせて使い方を変えられる家」
にしてもいい。
子ども部屋を趣味部屋にする。
収納を増やす。
一部をワークスペースにする。
ゲストルームとして使う。
将来は一部屋を減らして、もっとコンパクトに暮らす。
家は完成したときが完成形ではありません。
暮らし方に合わせて、少しずつ使い方を変えていく。
そんな柔軟な考え方も、55歳からの家づくりには合っているのではないでしょうか。
これからの暮らしを、夫婦で話してみる
家づくりを始める前に、夫婦でこんな話をしてみるのもおすすめです。
「これから何をして過ごしたい?」
「休日はどんなふうに過ごしたい?」
「家では一人の時間も欲しい?」
「どんな趣味を続けたい?」
「家に友人を呼びたい?」
「庭は必要?」
「10年後、どんな暮らしをしていたい?」
間取りの話をする前に、「暮らしの話」をする。
すると、
「じゃあ、この場所に小さなカウンターがあるといいね」
「庭を眺めながらコーヒーを飲める場所が欲しい」
「趣味の道具を置く収納が欲しい」
など、具体的な希望が見えてくることがあります。
まとめ|これからの家は「二人のちょうどいい距離」をつくる
55歳からの家づくりでは、
「老後に備えること」
だけを考える必要はありません。
夫婦で一緒に過ごす時間。
それぞれが好きなことを楽しむ時間。
家族や友人と過ごす時間。
一人で静かに過ごす時間。
その全部を無理なく楽しめる住まいを考えてみる。
そのためには、大きな家が必要とは限りません。
大切なのは、
「自分たちは、この家でどんな時間を過ごしたいのか」
を考えること。
これからの人生を楽しむために、家の広さや間取りを決める。
そんな家づくりがあってもいいと思います。
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